社会的道徳的評価の早期出現:乳児は向社会的な他者を好む

ハイライト
• 乳児は第三者による向社会的および反社会的な行為を理解している。
• 乳児は向社会的な他者を好み、反社会的な他者を好まない。
• こうした嗜好は、心的状態と対象となる相手の両方に基づいている。
• その嗜好は自己利益的関心、道徳的関心、あるいはその両方を反映している可能性がある。

人間は第三者の向社会的および反社会的行為を容易に評価する。近年の研究では、この傾向は発達のごく初期から現れることが示されており、言語をまだ獲得していない乳児でさえ、向社会的な他者には選択的に接近し、反社会的な他者は回避する。こうした行動は、単に提示される刺激の低次的な特徴や単純な行動規則に対する反応ではなく、乳児が向社会的・反社会的行為の行為者および受け手の特徴に敏感であることを示している。

具体的には、乳児の嗜好が形成されるには、肯定的または否定的な行為の受け手が、明確な未達成の目的を持ち、かつ過去に他者に害を与えていない社会的な主体であることが必要である。また、向社会的・反社会的な行為者は、それぞれ肯定的・否定的な目的のために意図的に行動していなければならない。これらの向社会的嗜好が、自己利益的関心を反映しているのか、道徳的関心を反映しているのか、あるいはその両方なのかは、依然として未解決の問いである。