ジェンダー平等と公的なレイプ発生率の関係に関する国際比較研究

研究者は、ジェンダー平等とレイプの関係を研究する際に、しばしばフェミニストの主張に基づいている。しかし、フェミニストはこれらの変数の間に負の関係と正の関係の両方を提唱している。本論文では、フェミニストのグループ間における理論的な違いを要約し、リベラル・フェミニストの目標と特に一致するジェンダー平等の指標を用いて、この関係を国際比較データで検証する。

その結果、負の関係ではなく正の関係が見出された。これは、リベラル・フェミニストの限定的な平等の目標から予測されるものとは異なっている。また、いくつかの先行研究と同様に、殺人率とレイプ率は正の相関を示し、これは暴力のサブカルチャー仮説が示唆する関係と一致している。

ジェンダー平等と経済発展が性暴力に及ぼす影響の検証

Austin and Kim(International Journal of Offender Therapy and Comparative Criminology 44, 204–221, 2000)は、国際的なデータセットを用いてジェンダー平等とレイプ被害の関係を検証した。本研究は、女性の社会経済的地位の絶対的指標や、ムスリム圏およびラテンアメリカ地域の指標といった追加の変数を取り入れることで、Austin and Kim(International Journal of Offender Therapy and Comparative Criminology 44, 204–221, 2000)の研究を発展させるものである。

さらに、本研究では、国際的なデータセットとして、国連の「犯罪動向および刑事司法制度の運用に関する調査」のより大規模で最新のデータを使用する。重回帰分析の結果、バックラッシュ仮説は部分的に支持されたが、改善仮説は支持されなかった。

本研究の興味深い発見の一つは、先進国の方が発展途上国よりも性暴力の水準が高いことであり、これは暴力に関する文明化過程の視点と一致しない。また、ムスリム諸国は非ムスリム諸国よりも性暴力の水準が低い一方で、ラテンアメリカ諸国は非ラテンアメリカ諸国よりも性暴力の水準が高いことが示された。